晩秋の美しい高原で、石炭、はち、つたの葉、レールなどがけんめいに生きる姿を綴った「雪くる前の高原の話」、漂着した外国人とともに海を渡り、もどらなかった父の思い出話「青いランプ」、「月とあざらし」など、ローマン的詩情の流れる中に、きびしく現実を見つめ、正義を愛した未明の世界を多彩な題材で描いた名品十七編を収録。