うず潮見物の船につばめが巣を作った。その巣の中で雛がかえるのを心待ちにするゆきぼうと、老夫婦との交流を描いた表題作の他、海峡を通る船を見守る3人の子供たちのそれそれの思いを綴った『うみにあるのは あしただけ』、ある事件に巻き込まれたとこちやんを描いて子供のやさしさを訴える『とこちゃんのヨット』など、胸の奥にそっとしまい込んでおきたい、灰谷童話9編。