夜の闇が深く濃かった昔、人々はひたすら月を待った。満月の夜はこの世ならぬ非日常の世界と往来する夜であり、十五夜は稲や芋の収穫を祝う祭だった。昔話歳時記の九月は、二百十日、村祭、仲秋の名月、敬老の日にちなむ老人の知恵さまざまなど、「嵐をつげるサメ」「猪の相撲」「親捨山」「屈たれ嫁こ」等を収録。