あやまって丹頂鶴を射ちおとした長吉のところヘ、頭にさざんかの赤い花を飾った女が持ってきた青い大皿。ふしぎな大皿の物語「鶴の家」、人間に家族を殺されたひとりぼっちの熊の話「北風のわすれたハンカチ」に「雪窓」「熊の火」など、苛酷な現実をモチーフにしながら、鮮やかな色彩の空想の世界へみちびいてくれる六作品を収録。